相続放棄申述受理証明書はいつ使う?申請書の書き方や手数料を解説

相続が開始したけれど、いざ財産を確認すると借金だらけだった。他の相続人と関わりたくない。様々な事情で相続放棄を検討する人が後を絶ちません。

相続放棄の手続きを家庭裁判所で行うことで、最初から相続人ではなかったことになります。しかし、手続きをすれば全て解決するかというと、そうもいきません。相続放棄をしたということを対外的に証明することが必要なケースもあります。今回は、相続放棄が受理されたことを対外的に証明する「相続放棄受理証明書」の取り方や概要注意点についてご紹介します。

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相続放棄申述受理証明書と相続放棄申述受理通知書の違い

相続放棄受理証明書とは、冒頭にも説明した通り、相続放棄の申請が裁判所で受理されたことを証明する書類です。

相続放棄が受理されると、裁判所からは「相続放棄申述受理通知書」が申述人の自宅に届きますが、「相続放棄申述受理通知書」と「相続放棄受理申述証明書」はどう異なるのでしょうか?

どちらも相続放棄をしたことを示すための書面になりますが、相続放棄申述受理通知書は、裁判所が相続放棄の申請を受理したという通知です。それに対して相続放棄申述受理証明書は、その名の通り第三者や他の相続人に対して相続放棄をしたことを証明する書類になります。

どちらも用途としては似ているため、通知書でよいとするところもあるのですが、中には通知書ではなくて証明書を出してほしい、といわれることがあります。

相続放棄申述受理証明書はどんなときに必要か

相続放棄申述受理証明書はどんな時に必要なのでしょうか。これには大きく3つのケースがあると考えられます。

相続登記の手続きに必要

相続財産に不動産が入っているときは、相続人が相続登記を行うことになります。 相続による不動産登記手続きの際には、必要書類として相続人全員の印鑑証明や遺産分割協議書などの書類を添付する必要があります。

しかし相続人の中で相続放棄をした人がいれば、その人は最初から相続人ではありませんので、相続登記の手続きの際にも印鑑証明を出す必要はありませんし、そもそも遺産分割協議書に相続人として名前が載ることもありません。

ただ、だれが相続放棄をしたかは、戸籍謄本などを見た限りではわかりません。そのため、相続放棄をしていることを法務局に対して証明するために相続放棄申述受理証明書が必要になることがあります。

といっても、基本的には相続放棄申述受理通知書を添付して相続登記の申請をすれば良いため、その場合は証明書の添付は必要ありません。

ただ、通知書は証明書と違って1通しか発行されず、紛失しても再発行ができません。そのため、添付するのが不安な場合には証明書を提出するといいでしょう。通知書を返してほしいときは、返してほしいということを法務局に申し出ておけば通知書を返してもらえます。

銀行の手続きに必要

相続財産に預金がある場合、被相続人が亡くなった後は銀行口座が凍結してしまうため、他人がその口座からお金を引き出すことができなくなります。後で相続人が決まったらその口座は相続人のものになるため、銀行で預金相続の手続きをすることになります。

銀行によって必要とする書類や書面箱となりますが、基本的にこの場合も相続人全員の印鑑証明や遺産分割協議書が必要になります。

相続放棄をすれば元から相続人ではないため、こちらも登記と同じく相続放棄をしたということを証明するために、相続放棄申述受理証明書を添付して手続きを行うことがあります。

銀行によっては通知書でも問題ないところもありますので、手続きの際にはあらかじめ確認しておきましょう。

債権者の手続きに必要

相続財産に負債がある場合には、 そのまま相続をするとその負債についても相続することになります。 相続放棄を行うことで、プラスの財産もそうですがマイナスの財産を相続しないことになります。

ただ、相続放棄の手続きを行えば裁判所が債権者に「この人が相続放棄をしましたよ」という通知をしてくれるわけではありません。相続人によっては、相続放棄をした後で債権者から「金を返せ」という請求が来たというケースがありますが、これは相続放棄の事実を債権者が知らないために起きることです。

債権者に対しては、相続放棄をしたためその債権は相続していない、ということを伝える必要があります。そのときに債権者から、相続放棄の証明書類として相続放棄申述受理証明書の提出が求められることがあります。

相続放棄申述受理証明書を取得できる人

基本的に、相続放棄申述受理証明書を取得できる人は以下の3人です。

  • 本人
  • 代理人
  • 利害関係人

代理人は原則弁護士のみ

相続放棄申述受理証明書は委任状を用意すれば代理人も取得することができますが、一般的な住民票や戸籍謄本などのように、誰でもが代理人として取得の申請をすることができるわけではありません。基本的に代理人は原則として弁護士、または親権者などの法定代理人のみとなっています。

まれに兄弟や親子だから法定代理人だと勘違いされている方もいますが、兄弟や親族間で何かを委任した場合、それは法定代理ではなくて任意代理となります。親子でも、子供が成人している場合は任意代理ですので、この点は注意しておきましょう。

代理で申請するときに委任状は必要か

弁護士や法定代理人が申述人に代わって相続放棄申述受理証明書を申請する場合には委任状が必要です。弁護士が代理人の場合は弁護士が委任状を用意してくれますので特に問題はありません。

また、法定代理人の場合はそもそも委任状が必要ありません。そのため、基本的に委任状を自分で用意するケースはほぼないと考えて良いでしょう。

もしも自分で委任状を用意する場合には、裁判所に入った時に委任状が無効にならないように必要なポイントを押さえて作成しましょう。基本的に委任状に書かなければいけないのは以下の内容です。

  • 委任者と受任者の住所・氏名・連絡先
  • 委任する内容
  • 日付
  • 印鑑

委任状はパソコンで作成しても構いませんが、偽造であると疑われないためにも、委任者は自署し、押印しておきましょう。

利害関係人とは

相続放棄申述受理証明書を申請できる人の中に利害関係人が含まれています。この利害関係人というのは、相続放棄がなされたことによって損をする可能性がある人ということですが、基本的に債権者のことを指します。

具体的に説明しましょう。相続財産に借金があり、相続人の全員が相続放棄をしてしまった場合、または相続人の中で資産を持っている人が相続放棄をしてしまったような場合には、債権者は被相続人に貸していた債務を回収することが難しくなってしまいます。そのため、債権者は利害関係人となっているのです。

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相続放棄申述受理証明書を申請する際の必要書類

次に相続放棄申述受理証明書を発行してもらう際に必要な書類についてご紹介します。

相続放棄申述受理証明書の申請書

申請書は、申述人本人が申請する場合と利害関係人が申請する場合では書類が異なりますので注意してください。

被相続人の戸籍謄本

こちらは申請する相続人が誰かによって変わってきます。

①相続人が配偶者のみ

被相続人と同一の現在の戸籍謄本のみ

②被相続人が相続人の子供など第一順位の直系卑属

  • 被相続人の戸籍謄本または除籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 被相続人と相続人が親子、または孫であることが証明できる戸籍謄本又は除籍謄本
  • 代襲相続が発生している場合には被代襲者である子供の戸籍謄本または除籍謄本

③相続人が第二順位の親

  • 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本または戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本

④代襲相続が発生し、相続人が祖父母

  • 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本または戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の親(祖父母の子供)の戸籍謄本または戸籍謄本

⑤相続人が第三順位の兄妹姉妹、または甥姪

  • 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本または戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の親の戸籍謄本または除籍謄本
  • 被相続人の祖父母の戸籍謄本または戸籍謄本
  • 代襲相続が発生している場合には被代襲者の戸籍謄本または除籍謄本

このように、相続順位が下がれば下がるほど必要書類が増えます。これはなぜかと言うと、自分よりも順位が上の相続人がいないことを証明しなければならないからです。

基本的に必要な書類は戸籍謄本または除籍謄本となっているため、管轄の市区町村に行けば書類を取得することはできます。しかし、取得したい人の本籍地が自分の住んでいるところから大きく離れている場合には、郵送で取り寄せたり遠くまで出向いたりしなければならず、手間がかかります。

時間がかかることは注意しておきましょう。また、戸籍謄本は基本的に発行から3ヶ月以内のものとされていますので、ここも注意してください。

証明書を申請するための費用や提出先の裁判所

申請するときの費用

相続放棄申述受理証明書申請するには、相続放棄の申し立てをするときと同じく費用がかかります。ただ金額は小さく、申述人1名につき収入印紙150円がかかります。このほか、郵送で証明書を申請するときは返信用封筒と返信用の切手が必要になります。

相続の手続きでは色々な所で相続人の戸籍謄本が必要になります。人によっては提出した戸籍謄本を返却してほしいと思うことがあるかもしれません。もし戸籍謄本などの原本を返して欲しいと思うときは、そのための返信用封筒と郵便切手が必要です。

申請先の裁判所

相続放棄申述受理証明書申請先ですが、相続放棄の申立をした家庭裁判所に申請します。

相続放棄申述受理証明書を取得するときの注意点

相続放棄申述受理証明書を取得するときの注意点は押さえておきましょう。

過去に申請した証明書をなくしたが、再発行できるのか

一度相続放棄申述受理証明書を取得したのに紛失してしまったり、他のところでも必要になったりしたときには、再度申請することができます。相続放棄申述受理証明書は、相続放棄申述受理通知書と違って何度でも申請することができるので安心してください。

相続放棄申述受理通知書があればよいというときでも、通知書を人に渡すのが不安という場合は証明書を複数用意しておくと安心です。

申請の際には申述人の署名が必要

相続放棄申述受理証明書の申請書には、申述人の署名押印欄があります。署名ですのでパソコンやワード打ちではなくて、本人が直筆でサインしなければなりません。また、押印欄には実印を押す必要はありませんが、シャチハタは認められません。朱肉をつけて押すタイプの認印を用意しておきましょう。

他の相続人の相続放棄申述受理証明書は取れない

相続放棄を相続人が行うとき、 自分一人だけ相続放棄をすることもあれば、相続財産に借金が多い場合などは他の相続人と一緒に相続放棄の手続きを行うこともあります。

その場合でも、相続放棄申述受理証明書は申述人本人のものしか請求できませんので注意しておきましょう。同じ時期や同じ家庭裁判所に手続きを行ったとしても、他の相続放棄をした申述人の書類を取ることは原則としてできません。

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相続放棄申述受理証明書の書き方

最後に、相続放棄申述受理証明書生き方についてご紹介します。書き方で特に難しいところはありませんが、事件番号などの情報が必要になりますので、手元に相続放棄申述受理通知書を準備しておきましょう。

ちなみに相続放棄申述受理証明書の申請書は、申述人本人が申請する場合と利害関係者である債権者が申請する場合で書類が異なります。

申述人が申請する場合

申述人が申請する場合には以下の箇所を記載します。

  • 事件番号
  • 事件名
  • 交付通数
  • 受理日
  • 申述人の名前と電話番号、署名押印

これらの情報は通知書に記載されていますので、通知書を見れば簡単に埋めることができます。

相続放棄受理証明書交付申請書の記載例

債権者が申請する場合

債権者等の利害関係人が相続放棄申述受理証明書を申請する場合には、利害関係人申請用の申請書を使用します。記載する必要があるところは以下の通りです。

  • 申請者の住所氏名、押印
  • 被相続人の氏名
  • 交付通数
  • 被相続人との利害関係
  • 申請理由
  • 日付

裁判所の種類形式にもよりますが、申請理由については申請書にあらかじめ理由が記載されています。例えば不動産競売手続きをするために相続登記手続きをするため、訴訟を提起するためなど、該当する箇所にチェックをするようになっています。

申請書に当てはまるものがない場合は「その他」の欄に理由を書きます。また他に種類がある、申請理由を書ききれない、という場合は別紙を添付することもできます。

以下、利害関係人用の相続放棄申述受理証明書の申請書の見本です。

利害関係人用の相続放棄申述受理証明書の申請書見本

まとめ

相続放棄申述受理証明書についてご紹介しました。相続放棄の手続きが終わった後に、債権者に対して自分が相続放棄をしたということを証明したり、他の相続人が相続財産である不動産を登記手続きを行ったりするときに、相続放棄をした人がいるということを証明するために証明書が必要な場合があります。

申請自体は難しくありませんし、費用もかかりません。しかし、相続順位が低ければ低いほど申請書に添付する必要書類が煩雑になります。必要書類の添付が漏れて証明書の発行に時間がかかることがないように、どの書類が必要なのかはあらかじめ確認しておきましょう。

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